離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
「どうぞ」
デスクにカップを置くと手で口許を押さえ、大きな欠伸をしてしまった。
それを見逃さない雅樹さん。
「悪いな…眠いのに…俺の相手をさせてしまって…」
「あ、あのね…世良さんも居るんですけど…」
世良さんは耳を塞ぎ、聞こえてない振りをしてくれた。
「世良には聞こえていないようだ…」
雅樹さんは世良さんを一瞥して、不敵に笑う。
「ちゃんと仕事をしてください」と言いたい処だけど、今の彼には禁句だった。
私は喉の奥にその言葉を吞み込み、給湯室に引っ込む。
味がわからないと言う彼。
コーヒー飲んでも味が分からないんだろうな…
それに、色の識別も…
事故の後遺症が少しずつ彼の今まで出来ていたコトを奪っていく。
私達を救ったばかりに彼は…そう思うと凄く辛い。
でも、一番辛いのは雅樹さん自身・・・
妻である私が支えてあげないと。
デスクにカップを置くと手で口許を押さえ、大きな欠伸をしてしまった。
それを見逃さない雅樹さん。
「悪いな…眠いのに…俺の相手をさせてしまって…」
「あ、あのね…世良さんも居るんですけど…」
世良さんは耳を塞ぎ、聞こえてない振りをしてくれた。
「世良には聞こえていないようだ…」
雅樹さんは世良さんを一瞥して、不敵に笑う。
「ちゃんと仕事をしてください」と言いたい処だけど、今の彼には禁句だった。
私は喉の奥にその言葉を吞み込み、給湯室に引っ込む。
味がわからないと言う彼。
コーヒー飲んでも味が分からないんだろうな…
それに、色の識別も…
事故の後遺症が少しずつ彼の今まで出来ていたコトを奪っていく。
私達を救ったばかりに彼は…そう思うと凄く辛い。
でも、一番辛いのは雅樹さん自身・・・
妻である私が支えてあげないと。