離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
東亜医科大付属病院。

俺は定期的に脳神経内科の診察を受けていた。

「味覚障害と色覚異常の疑いがありますね…」

「これも事故の後遺症ですか?」

「・・・多分」

伊集院先生の口は重かった。

「色覚異常は補正眼鏡を掛ければ色の識別は出来ますし、味覚異常も積極的に亜鉛が多く含まれる食材を摂取して下さい。
漢方薬を処方しておきますので、それで暫く様子を見ていきましょう。高屋さん」

「・・・」

「後、奥様には食事についてお話がしたいのですが、よろしいですか?高屋さん」

「あ、はい・・・」

伊集院先生は俺の診察に付き添っていた梓に話し掛けた。


「はい…」

「俺は外で待ってる…」


眼鏡で補正しろとか食事で何とかしろとか…俺はめちゃくちゃ悩んでるのに、なんだよ!?

俺はイライラして、先に診察室を出てしまった。





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