離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
突然、二人で住む新居を決められてしまった。でも、伯父さんや伯母さんにはどう説明すればいい?

私の両親はイタリアで自動車事故を遇い、私だけが奇跡的に助かった。
十二歳の時の話。

その後は、日本に戻り父方の兄夫婦に引き取られた。

「お帰りなさい…梓ちゃん」

「ただいま」

伯母さんの遊佐莉那(ユサリナ)さんが出迎えてくれた。

「伯父さんは今夜も遅いようですね…」

「そうね…会食だと言っていたから…」

伯父さんの遊佐逸希(ユサイツキ)さんは日用品や加工食品、健康食品と言った生活全般に必要とされる製品を手がける大手企業『藤堂コーポレーション』の副社長。

「あのね…伯母さん」

ソファに腰を下ろし、テレビを観ていた伯母さんに意を決して話した。

「・・・二人に会って貰いたい人が居るんだけど…」

「えっ?あ…まさか…それって…」

「私…その方と結婚するかもしれないんです…」

伯母さんにも離婚前提の結婚であるコトは伏せた。

「・・・ようやく・・・梓ちゃんにも結婚したいと思える相手が出来たのね…伯母さん…嬉しいわ…で、何処の誰?同じ『高屋』の人??」

「それがその…高屋副社長と言いますか…」

「あら?二人はそう言う仲だったの?」

「最近、そうなったと言いますか…」

昨日の夜とは言えなかった…
「・・・昨日は副社長とディナーするから…夕食は要らないと訊いたけど…まさか…お泊りとは…私も驚いたわ…」

「伯父さんには話したんですか?」

「伯父さんも仕事のトラブルでお泊りだったから…貴方と副社長のコトは知らないわよ…」

私はホッと胸を撫で下ろした。

伯父さんは私の男関係には厳しい人だった。
二人の間には副社長と同い年の辰希(タツキ)さんと言う一人息子が居たけど、娘は居なくて、二人は実の娘のように可愛がってくれた。


「・・・まぁ、高屋副社長に貴方の一途な想いが伝わったのね…梓ちゃん」

「え、あ…」



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