離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
「じゃ辰希が残念がるわね…」

「えっ?」

辰希さんは大手アパレルメーカー『ブラックベリー』の元バイヤー。彼のトレンドをいち早く察し、見極める能力は抜群だった。
三年前に独立し、フリーのバイヤーとして数々の会社と契約し、世界中を飛び回っていた。

辰希さんと私は従兄同士で、兄と妹のように育った仲。

まぁ、確かに彼は私にはとっても甘く、過保護だったコトは認める。

「でも・・・まぁおめでたいコトだし。二人が反対しても、私は梓ちゃんを祝福してあげるわ。まずは…仏壇の友希さんと柚さんにも報告なさい。梓ちゃん」

「うん」

私は仏間に行って、亡くなった両親にも副社長との結婚を報告する。

亡くなった両親や私の親代わりになってここまで育ててくれた伯父さんや伯母さんに対して何だか罪の意識が出て来た。

やっぱり…離婚前提の結婚は良くない。



< 23 / 202 >

この作品をシェア

pagetop