離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
「お邪魔します…」

私の二階の部屋に彼を案内した。

「さすがは女の子の部屋だ…ピンク色で溢れてる…」

「副社長…余りキョロキョロしないでください…」
自分の裸を見られているようで恥ずかしかった。

「君はいつ俺のコトを雅樹さんと呼んでくれるの?」

「だからそれは…結婚してからで…」

「それからでは遅いよ…梓」

彼の骨ばった長い指先が私の顎をクイッとさせ、唇を塞いで来る。

「んっ…」

雅樹さんは十日間、堪えていたキモチを押し付けるように強引に私の唇を貪った。

口内に割り入れられた彼の湿った熱い舌先が私の舌を絡め取っていく。

腰許から迫り上がる甘い痺れに戸惑いながらも彼とのキスに戯れた。


「普段は眼鏡掛けておいた方がいいけど…キスの時は外した方がいいな…少し邪魔だ」

彼はキスを中断して、私の眼鏡を外した。

「眼鏡外したら、貴方の顔が見えません…」

「…俺の顔がちゃんと見えた方がいいの?俺は目を凝らしてジッと見つめる君が可愛いんだけど…」
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