離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
『高屋』の経営を立て直したのも俺。
社長の椅子に座りならも、赤字経営を続けた父。
俺は何の努力せずに創業者の一族と言うだけで偉そうにしている父を反面教師に、努力し、発想の転換と自身の勘を頼りに赤字を黒字に変換させた。
父を社長の椅子に据えてるのは俺のせめてもの温情。
勝手に『花菱銀行』脇坂頭取の令嬢との見合いを取り付けて来たりして…
俺の逆鱗に触れるコトばかりしてくれる。

「戻ったぞ…」

「…お帰りなさいませ。副社長」

「世良は?」

「あ…車の洗車に行きました」

「そっか…」

俺はリクライニングチェアに腰を下ろした。

「梓、ちょっと…」

ノートパソコンのキーを叩く梓を俺のデスクに呼んだ。

「何ですか?副社長」

「此処に座ってくれないか?」

「えっ?」

俺は自分の膝上を指差した。

「それは…無理です」

「無理でもお願い…」

俺は梓の腕を引き、膝の上に横座りさせた。
程よい大きさの彼女のヒップが俺の太腿に心地よく圧し掛かる。

「世良さんが帰って来たら、どうするんですか?」

「…別にいいだろ?俺達は結婚するんだ。ヤツも大目に見てくれる…」

俺は彼女の頬に唇を寄せた。

白い頬を瞬時に紅く染め、視線を逸らす梓。
「そう言ういじらしい反応がかえって、男を煽るんだぞ…梓」

「副社長、もういいですか?」

「もう少し頼む…」

俺はギュッと彼女の細いカラダを抱き締めて充電する。
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