離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
甘やかし

雅樹sideー

俺と彼の二人にされてしまった。

「料理はお口に合いますか?辰希さん」

「まぁまぁだな…で、いつから梓と交際してたんだ?」

「あ・・・あれこれ一年前から・・・」

梓を溺愛する彼に交際ゼロヵ月とは言えなかった。
「そっか・・・まぁ…あんたは浮いた噂は余り訊かないし…真面目そうには見えるけど…」

彼は一口大に切り分けた牛フィレ肉を口に運び、唇についた脂身をナフキンで拭きとった。

「俺は本気で梓と結婚しようと考えていた…」

「彼女に対する貴方の真剣な想いは真摯に受け止めます…でも、貴方の為に梓と離婚する気はありません」

離婚前提にしてるクセに。

彼女を幸せにする自信はないのに。

俺は梓を彼に渡したくないと本気で思っていた。

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