離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
辰希さんは酔い潰れ、俺達の部屋で介抱する羽目になった。
俺は自分と同じ背丈の辰希さんを背中に背負い、ようやく部屋に辿り着く。

俺は彼をソファに仰向けに寝かせる。
辰希さんは寝息を立てよく眠っていた。

「本当に…雅樹さん…ゴメンなさい」

「いいよ…別に…飲ませ過ぎた俺が悪い…でも、あの夜の再来を期待して、本当は梓にもっと飲んで欲しかったなぁー…」

「雅樹さん!?」

「冗談だよ…梓」

「目が本気でしたけど…」

「そう?」

本気だと言いたい所だけど、喉奥にその言葉は仕舞った。

辰希さんに『私が愛してるのは雅樹さんだ』と言ってくれた彼女。
出任せでも嬉しかった。
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