離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
「タオルケット持って来ます」

梓が踵を返し、俺に背を向ける。
俺は彼女の小さな背中を見て急に抱き締めたくなった。
そして、手を伸ばし俺から離れようとする梓を抱き竦める。

「雅樹さん…」

予想もしなかった俺の行動に梓の細い肩がピクンと跳ねた。

「君のおかげだ…梓」

「何を言っているんですか…雅樹さんが辰希さんを説得したんでしょ?」

「こうしてカリスマバイヤーを紹介してくれたのは君だ…」

「世良さんの判断で私は辰希さんに連絡しただけです…」

「でも、君は首を横に振る辰希さんを必死に説得してくれた…ありがとう…梓」

「雅樹…さん」

「もういいですか?」

「ん、あ・・・」

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