離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
赤ちゃんか・・・

入籍して一ヵ月…
仕事が多忙なコトもあるけど、私達の間には夫婦の営みが全くなかった。

私の方から雅樹さんには訊くに訊けない恥ずかしい質問。
逆に私の方から質問すれば、何だか欲求不満に思われてしまう。

プレオープンに向けての視察も終え、そのまま部屋に直帰した。

雅樹さんはスーツの上着を脱ぐ。

「梓…」

「何ですか?」

「どうしても君に会わせたい人がいるんだ…」

「いいですけど…」

雅樹さんは誰に会うかは教えてくれなかった。

私はウォークインクローゼットに入り、急いでスーツを脱ぎ、私服に着替えた。

先に支度を終えた雅樹さんがリビングのソファに腰を下ろして待っていた。

「お待たせしました…」

腰を下ろす彼の脇にはセレクトショップの紙袋が置かれていた。

「それは…」

「・・・今日…俺の実の母さんの誕生日なんだ…これはバースデープレゼント…」

「じゃ私に会わせたい人って…」

「俺の母さんだ…」

彼ははにかんだように笑い、腰を上げた。







< 75 / 202 >

この作品をシェア

pagetop