離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
私達は車に乗り込み、雅樹さんの実母が働いている高円寺駅前の喫茶店へと向かった。

雅樹さんを置いて浮気相手と家を出た実の母親。
二人は連絡を取り合っていないのかと思っていたけど、父親である社長には内緒で時々会っていたらしい。

雅樹さんは車をタイムズに停めて、後はカフェまで歩いた。

「此処だ…」

雅樹さんはそう言って、古めかしい昔ながらの喫茶店の格子ドアを開けた。
カランカランと呼び鈴が私達の入店を知らせる。

「いらっしゃい」
カウンターにはマスターらしき四十代後半の男性と美人な顔立ちの女性が立っていた。

「雅樹…」

「久しぶり…母さん…今日は母さんの誕生日だから…プレゼントを持って来たんだ」

「坊ちゃま…」

男性は雅樹さんのコトをそう呼んだ。

「羽柴さんも元気そうだね…」


「坊ちゃまも…」

私達は二人の真ん前の席に腰を下ろした。


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