離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
『高屋エルネ』は開店し、招待状を持った多くのVIPのお客様が訪れた。

私も雅樹さんもVIP客の対応に追われ続ける。

雅樹さんと離れ、他のVIP客の応対をしていると一人の若い派手め女性に声を掛けられた。

「貴方が雅樹さんの奥さんね…」

「えっ?」

良く見ると彼女は『花菱銀行』の脇坂頭取令嬢・美波里(ビバリ)様。
彼女とは『花菱銀行』の創立パーティで一度だけ顔を合わせた。

「私との見合いを断り、秘書の女性と入籍したと訊かされたけど…どんな絶世の美女かと思ったけど…普通じゃない…」

彼女はブランド物で身を包み、鋭い目つきで私を値踏みしながら皮肉たっぷりに吐き捨てる。

「私の応対は貴方にお願いするわ…高屋副社長夫人」

「少しお待ちください…」

「何で!?この私が待たなくてはならないのかしら!?私は『高屋』に招待されて来たのよ…」

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