離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
白い手

雅樹sideー

俺は時々、夜になると熱を出した。
そんな俺をあの女は夜通し寝ずに看てくれた。

その白い手は温かった。

普段なら、振り払ってしまう手なのに…

熱を出した時の俺はその手に母の手を重ね、縋った。

何故、今になってあの女の手の温もりを思い出したんだろうか?

自分でも分からなかった。
< 92 / 202 >

この作品をシェア

pagetop