離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
幼い俺はあの女の白い手に救われた。
熱で魘された俺は苦しくて、辛くて誰かに助けて貰いたかった。

出て行った母には甘えられなくて・・・
かと言って母を追い出したあの女には甘えたくなかった。

二十五年経った今も…未だに俺の中では尾を引いている辛い過去。

でも、梓と結婚して…
ずっと一緒に居たいと思った。
元々結婚は愛する者同士が一緒居たいと思ってする物。
俺達のように離婚なんて考えていない。

俺だってこんな可愛くて愛しい梓と離婚なんてしたくない。



「梓…俺は分かってる…一人で大きくなったんじゃないって…君の言う通りだ」

「雅樹さん…」

「母さんは過ぎた過去だと言う。一番傷ついた母さんがそう言うんだ…もう昔の話なのかもしれない。俺一人があの頃のままだ…でも、俺は君との未来の為に…過去の柵から抜け出したい」

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