あいつの隣にいる方法
手渡された手鏡を見て、久しぶりに髪を上げた姿に自分でも見慣れない。

「そんなに確認しなくてもかわいいから大丈夫だって。」

かわいいのは髪型ね、っていい返しながら校内放送に従ってグラウンドに出た。

準備体操を終えて、控え所に戻る。

そういえば、自分の出番、確認してなかった…

「綱引きって何番目だっけ?」

「綱引きは午前の3つ目だよ。100m走みてから招集いけばちょうどいいと思わない?」

「暑いのに、見に行くの?」

私の抗議を無視したみっちゃんは、私をグラウンドまで引きずっていった。

グラウンドにつくと、すでに競技が始まっていた。

パンというピストルの音とともに、飛び出してくる。

それと同時に次の走者がスタンバイに入り、スタートを切る、と次々に進んでいた。
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