あいつの隣にいる方法
「私、集合時間だ。」

「荷物、私戻しておくよ。それからでも、リレー見に行くのには間に合うし。」

「ありがとう!行ってきます!」

「はーい。頑張ってね。」

みっちゃんと別れて、いったん控え所に戻る。

今やっている競技もあるため、グラウンドからは声援が聞こえてくる。

「佐藤さん!」

声がした前方を見れば、山田君がいた。

「観戦しに来たんだよね?ちょっとグラウンド遠いけどここ良く見えるよ。」

「本当だ。私もここにいさせてもらおうかな。」

グラウンドを見渡せる位置で、人が多すぎることもなく丁度良かった。

「あのさ、伊東って出るの後リレーだけだよな。」

伊東?……あ、みっちゃんのことか。

「そうだよ。もしかして、綱引きも本当に見に来てたの?」

「まあな。佐藤は真斗のことも見に来てたよね?」

「違うよ。みっちゃんに連行させられてたんだよ。」

「えぇー、真斗かわいそう。」

私に応援されなくたって、可哀そうでもなんでもないけど。
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