あいつの隣にいる方法
歩きながら隣になったあいつに話しかけた。
「真斗、おつかれ。すごく注目されてたね。」
「なに、お前、やいてんの?俺が注目されて。」
「本気で言ってる?」
横目でジロリとあいつを睨む。
「うそうそ、応援、ありがとな。」
そいうと頭をポンポンとたたいた。
「頭、触るな。せっかく結んでもらったんだから。」
「今日は自分でやってないんだ。だから凝ってるんだな。」
そういうと私の毛先で遊び始めた。
「普段、結んでないじゃん。その手やめてってば。」
あいつの手を払いのける。
「中学の時、いっつも結んでたもんな。」
「覚えてるんだ…」
「毎日だっただろ。」
「今よりもっと長かったからね。」
その後も髪をいじられ続け、攻防を繰り返しているうちに控え所の近くまで来ていた。