あいつの隣にいる方法
自転車置き場から自分のチャリを出してきたとき、学校からみっちゃんと山田君が一緒に出てくるのが見えた。

うまくいけばいいな。そう願わずにはいられない。

明日にでも付き合ったって報告が来そうなくらいいい感じな気もする。

駅についたが電車が来るまでまだ時間がある。

ポケットからスマホをだし、イヤホンをつける。

哀愁漂う恋愛ソングが流れてきた。

なんとなくテンションも下がり、運動会の閉会式前の出来事を思い出す。

変な態度をとってしまったのは、あいつに悪かったなって思う。

『ハナにとって特別な存在なんじゃない?』

いつかのみっちゃんの言葉が頭の中をこだまする。

自覚し始めている自分もいる。だけれど、認めたくない自分もいる。
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