あいつの隣にいる方法
「っぶは」

改札を通りぬけるとあいつがこっちを見ていた。

そして笑いがこらえられなくなったのか吹き出した。

「ウソついたでしょ!」

「騙されてやんの。クククッ…」

ひっどい!

本当だと思って焦ってたのに。

ゴメン、ゴメンって言ってるけど、まだ笑ってる。

「チャリできた?」

「うん。」

「じゃ、帰るか。」

自転車をこぎ始めると、心地よい風が吹いてきた。

あいつはわざわざ私の家までついてきてくれた。

1人でも大丈夫だったのに。

そして、じゃーな、っていって帰っていった。

私もバイバイ、と返事をしてその背中を見送っていた。
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