あいつの隣にいる方法
何食わぬ顔で戻り、先生の視線を確かめながら私の席にノートを置き、自分の席に座った。

最後までバレることはなかったらしい。

もしかしたら見つかったかもしれない、と思うとイライラしてきた。

普段からほとんど予習とかやってこない。

その場しのぎでどうにかしようとする。

私はあんなに時間かけているのに。

授業が終わり教室も騒がしくなる。

先生が出ていったことを確認してから、あいつの背中をたたいた。

いってぇ、と背中をさすりながらふりかえる。

「ゴメン。あたると思わなかったんだよ。」

「やってくればいいでしょ。」

「疲れててムリだった。しかも数学だぞ。」

確か数学がすごく苦手だったっけ、あいつ。

「それでも、授業前までになんとかすればいいでしょ。」

「だからゴメンって。」

でも、でも、あいつのせいで…って思うと腹の虫が収まらない。

「お詫びのアイスで手を打って。」

「もので釣ろうとするな!!」

そいうと弁当を持ち、みっちゃんに声をかけ一緒に教室を出た。
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