あいつの隣にいる方法
「これから係決めに移ります!!」

委員長の声でみんなが一斉に前を見る。

席がめちゃくちゃなのはもう注意しないらしい。

今回も黒板に記名式で進める。

人数調整はきっと委員長が頑張るのだろう。

「ハナ、衣装でいいんでしょ。私もとりあえずそこにしておこう。」

私がうなずくのを確認すると黒板のほうへ行ってしまった。

早速委員長になにか話しかけられている。

この光景、いつか見たような気がするなって思いながら眺める。

教室の左前の方に男子が数人固まっている。

何気なくそっちの方を見るとあいつと目が合った。

びっくりして目を見開いてしまう。

薄笑いしたあいつはゆっくりと口パクで何かを言う。

なんて言っているかは読み取れない。

眉を顰める。絶対いいこと言ってない。

それをみたあいつはさらに笑みを深めて、こっちから目を離し、会話に参加している。

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