あいつの隣にいる方法
暇すぎるから結局、本のページをめくる。
今は恋愛系の小説を読んでる。自分ではそういう小説はあまり手に取らないけれど、みっちゃんが面白かったって勧めてくれた本だ。
ちゃんとした恋を経験していない私だからか、書いていることが、現実離れした内容としか受け取れない。
『好きだ、と言葉にすることができたらどんなに楽なのだろう。』
世の中の恋する女の子ってこんなにも苦しい思いしながら、一喜一憂するのかな。本当だったら大変そう。
そんなことを考えながらページをめくっていた。
ガラッ
扉が開いた音がしても、誰も気にしない。
ちらっと扉の方向を盗み見ると、真斗だ。
SHRには間に合うんだ、あいつらしい。
ちなみにShortHomeRoomのことで毎朝先生が連絡とかする時間。出席確認もされて、出席率が成績に影響するとか、しないとか…いわれている。