黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~

 想いが通じ合って両想いになったら、キスしたり抱き合ったり、離れたくない……!って別れを惜しんだりするものじゃないの!?

「じゃ、さっさと寝ろよ」

 私が困惑しているうちに、帰ろうとする伊尾さん。
 
 
 なにこれ。なにこの素っ気なさ!

「待ってっくださいってば!」

 あわてて伊尾さんの腕にすがりつく。

 こっちは必死だ。
 ずっとずっと大好きで、まったく相手にしてもらえなかった憧れの伊尾さんが、私を好きだと言ってくれたんだから。

 このまま別れてしまったら、すべて夢になって消えてしまいそうで怖い。

「なんなんだよ、さっきから」

 あきれたようにため息をつく伊尾さんにしがみつき、私は涙目で見上げる。

「帰っちゃいやです!」

 私の必死の訴えに、伊尾さんはぐっと言葉につまった。

「伊尾さんと、離れたくないです。ずっと一緒にいたい」

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