黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
 なまめかしい動きで口蓋や粘膜をなぞられると、それだけで甘えた声がこぼれる。
 
 伊尾さんは私の漏らした吐息に気付き、キスをしながらのどの奥で小さく笑った。
 
 四年間。
 ずっと好きだった伊尾さんと、キスしてる……。
 
 そう実感して、喜びといとおしさが胸に押し寄せてきた。
 
 伊尾さんは、奥で縮こまっていた私の舌をくすぐり、たぶらかすように絡み合わせる。
 お互いの唇隙間から、乱れた吐息と水音がもれた。
 
 そのいやらしさに、きゅんと体がうずいて腰がそる。
 
 私を味わい尽くすようにうごく舌に、腰のあたりから甘い快感が走り性感を煽られた。
 
 どうしよう、すごく気持ちいい……。

 しだいに頭がぼうっとして、思考がとろけていく。


 そのとき足から力が抜け、がくんと体が崩れた。
 
 慌ててバランスを取ろうとして、ひねった右足に体重をかけてしまった。

「いた……っ」
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