黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
 
 痛みが走り、思わず顔をしかめる。

「大丈夫か?」

 伊尾さんは私の腰に手をまわし体を支えながら、心配そうな視線をこちらにむける。

「だ、大丈夫です! ちょっと、バランスを崩しただけで……」

 慌てて言い訳すると、伊尾さんは大きく息を吐きだした。
 そして、私の体をぎゅっと抱きしめる。

「無理するな、バカ」
「無理なんか……」

 していません。と首を横に振ろうとすると、伊尾さんがちゅっと短いキスで私の言葉をさえぎった。

 さっきまであんなにはげしいキスをしていたのに、あらためてキスされると頬がぶわっと熱くなる。

「無理してるだろ。それにこのままだと、俺がお前に無理させてめちゃくちゃにしそうだ」
「?」

 意味がわからず首をかしげると、伊尾さんが私の耳元に唇をよせた。

「このまま俺を引き留めたら、俺はお前を抱くぞ」
「だ、抱くって……っ」

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