黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
「ん……っ」

 容赦ないキスに、甘い声が漏れた。
 その吐息さえ奪いつくそうとするような、激しいキスをされる。

 いつも意地悪な笑みで私を振り回す彼の余裕は、今はまったくなかった。
 
 お互いにお互いがほしくて仕方ない。
 触れた唇や、交わす視線から、感情がたかぶっているのが伝わってくる。
 
 切羽詰まったキスを繰り返しながら、伊尾さんは私の服を脱がせていく。
 
 恥ずかしさと緊張で、一瞬体がこわばる。
 すると伊尾さんはキスをほどき、やわらかい表情でこちらを見つめた。

「美緒」
 
 愛情のにじむ声で名前を呼ばれ、胸がつまる。

「好きだよ」

 その言葉に、嗚咽と一緒に涙が込み上げてきた。

 一瞬でも気を抜けば声を上げて泣いてしまいそうで、私は必死に歯を食いしばり、こらえる。

 顔をくしゃくしゃにしていると、伊尾さんがぷっと噴き出した。

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