黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
「お前、なんて顔してるんだよ」
「だって、伊尾さんにこうやってキスをしてもらえて、好きだって言ってもらえる日がくるなんて、なんだか信じられなくて……」

 初めて出会った日から四年間。

 彼はずっと憧れの人だった。
 どんなに頑張っても、相手にしてもらえないと思っていた。

 それなのに、今はこんなに近くにいる。
 それが、うれしくてたまらない。
 
「これからは、何度だって言ってやるよ」
 
 伊尾さんはくすくす笑いながら、私をソファに押し倒した。

「本当ですか?」
「あぁ」

 私の問いかけに伊尾さんは頷くと、着ていた服を脱いだ。
 そして床に服を捨てる。
 引き締まったたくましい体があらわになって、その色っぽさに心臓が跳ねた。
 
 伊尾さんは乱れた髪を邪魔くさそうにかき上げると、私を見下ろした。

「好きだよ、美緒」

< 207 / 219 >

この作品をシェア

pagetop