黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
 からかうようにささやかれ、「いじわる……!」と涙目で伊尾さんを睨む。
 すると伊尾さんは体を起こし、こつんと額を合わせた。

「悪い。お前の反応がいちいちかわいいから、いじめたくなる」

 なんて口では謝りながら、伊尾さんの手は私の体を弄り回していた。
 もう全身が敏感になっていて、どこを触られても気持ちがいい。
 
 このまま焦らし続けられたら、頭がおかしくなってしまいそうだ。

「伊尾さん、もう……」

 私が伊尾さんの腕をつかんで涙声で言うと、彼はわずかに首をかたむける。

「別に、今日は最後までしなくてもいいんだぞ」
「え……?」
「お前、はじめてだろ? それに華奢で小さいから、壊してしまいそうで怖い」

 そう言われ、伊尾さんを見上げる。
 私たちの身長差は二十五センチはあるけど……。

「私は別に小さくないですよ。伊尾さんが大きいんです」

< 210 / 219 >

この作品をシェア

pagetop