黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
 なんて小声で言い合っていると、目の前に影ができた。
 
 なんだろうと視線を上げる。
 そこには太い腕を組んで仁王立ちする東海林さんがいた。

「伊尾、またそうやって美緒ちゃんをいじめているのね?」

 坊主頭で巨体の彼が、じろりと伊尾さんを睨む。
 
 もしかして話を聞かれていた!?と私は動揺して跳び上がった。
 それに対して伊尾さんは少しも動じず涼しい顔で口を開く。

「いじめてないですよ。休憩時間だから雑談をしていただけです」
「本当かしら」
 
 東海林さんは不満顔でこちらに視線を向ける。

「美緒ちゃん。伊尾にいじめられたら、遠慮なくあたしに相談するのよ? あたしがとっちめてあげるからね」
「ありがとうございます」

 優しい東海林さんにお礼を言うと、「あ、そうだ」と大きな手を叩いた。

「これ、あげるわ。あたしから美緒ちゃんにプレゼント」

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