黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
2 彼との出会い
2 彼との出会い
四歳年上の伊尾洋平さんは、東京を中心とした一都九県を管轄する関東信越厚生局の麻薬取締部で、一番の検挙率を誇る取締官だ。
冷静で有能の上に見た目もよく、しかも武闘派という、隙も弱点もない人。
伊尾さんと出会ったのは、今から四年前。
私が大学生だったときだ。
その頃私は薬剤師を目指し、六年制の薬学部に通っていた。
周りの同級生たちも、製薬会社や研究所など、それぞれの目標のために頑張っていた。
けれど、私が二十二歳のとき、友人の菊田静香が覚せい剤を使っているのを知った。
『これを飲み始めてから、簡単にやせたんだよね』