黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
「ていうか、お前」
「はい」
「ひどい顔だな」
「ひどいって……っ!」

 私の唇は腫れ、頬は青くなっている。

 その上、昨夜は夜遅くまで働いていたから寝不足で顔もむくんでる。
 
 伊尾さんがひどい顔だと思うのも無理はない。
 
 だけど、私だって一応乙女なんだから、もうちょっと言葉を選んでくれてもいいのに!


「見せてみろ」

 伊尾さんは私の頬を手で包み上を向かせた。

 そしてまじまじと私の顔を見つめる。


 きょ、距離が近い……っ!


 綺麗な二重の目が、私をじっと見ていた。

 伊尾さんの黒い瞳に自分の姿が映っているのが見えた。

 まるでキスをする直前のような体勢に、全身の血が沸騰しそうなくらい鼓動が速くなる。

「痛いか?」

 眉をひそめた伊尾さんにたずねられる。
 
 ちょっと心配そうな表情が、かっこよすぎて直視できない……!

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