黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
4 女友達の忠告
4 女友達の忠告
「美緒ー!」
待ち合わせのお店に入ると、誰かが私の名前を呼んだ。
声のした方へ視線を向ける。そこには友人の鈴木恵がいた。
「恵、ひさしぶり」
今日は大学時代の同級生だった彼女と、ひさしぶりに一緒に食事をしようと約束していたのだ。
彼女の向かいの席に座り、料理を注文してからお互いの近況報告をする。
普段激務に追われている私は、家でのんびりしているだけで休日が終わってしまい、こうやってプライベートで出かけるのはひさしぶりだ。
私がそう言うと、恵は目を丸くする。
「え、公務員ってそんなに忙しいの?」
恵の意外そうな言葉に、ぎくっとして肩が跳ねた。
私が公務員なのはみんな知っているけれど、厚生労働省の麻薬取締官になったことは身内以外には言っていない。