黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
 社交的で明るい恵は、大学時代から異性からもてる子だった。

 短期間で付き合ったり別れたりを繰り返していたけど、社会人になった今でも相変わらずのようだ。

「そう言う美緒はどうなのよ!」

 突然矛先がこちらに向いた。
 私はおどろいて目をまたたかせる。

「私?」
「彼氏とか、好きな人とか、いないの?」

 身を乗り出してたずねられ、視線が泳ぐ。

「ええと、好きな人は……」
「いるんだ?」

 私が言い終える前に、恵の目がきらんと輝いた。

「なになに、どこで出会ったの? 職場の人とか?」
「う、うん。四歳年上の、職場の先輩」
「いいなぁ。オフィスラブだね。職場の先輩に恋してるなんて、毎日ドキドキして楽しそう!」

 きっとドラマや漫画のような甘いシチュエーションを想像しているんだろう。

 恵から期待いっぱいの視線を向けられ、私は苦笑いしながら首を横に振る。

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