黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
「静香の件がひっかかってるんだろうけど、美緒が後ろめたく思う必要なんて、少しもないんだからね」
「恵……」
「美緒は間違っていないんだから、気にせず胸を張って同窓会行こうよ」

 力強く優しい言葉に、少しだけ胸が温かくなった。

「それにほら、同窓会に呉林くんがくるかもしれないし!」

 声を高くした恵に、私は首をかしげる。

「呉林くん?」
「おぼえてない? 大学いちの秀才でイケメンの呉林くん!」

 呉林くんは、大学でも有名だったから、もちろん覚えてる。

 物腰が柔らかい彼は、自分の優秀さや見た目の良さを鼻にかけず、誰に対しても穏やかで優しい人だった。

 静香も彼に恋をしていて、少しでも痩せて綺麗になりたいと思ったのが、覚せい剤をはじめたきっかけだったらしい。

 大学に通う女子の大半が憧れるような、素敵な人だった。

「呉林くんって、今はなにをしてるんだっけ?」
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