黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
「卒業してから起業したって噂は聞いたなぁ。きっと成功してリッチになってるよ。同窓会で会ったら連絡先聞かなきゃ」

 うきうきした恵の表情に、思わず噴き出した。

 恋多き彼女は、次は呉林くんに狙いを定めているようだ。

「恵は楽しそうでいいなぁ」

 自分とは正反対に積極的に恋を楽しむ恵が、少しうらやましくなる。

「なに他人事みたいに言ってるのよ。美緒も同窓会でいい男を見つけるわよ」
「いや、私は……」
「そうだ。これから同窓会に着ていくかわいい服を選びに行こうよ」
「わ、わざわざいいよ」
「よくない! 美緒のその服、似合ってるけどちょっと色気がないと思ってたんだよね」
「え、そう?」

 自分の服装を慌てて見下ろす。

 今日着ているのはボーダーのカットソーにワイドパンツ。
 確かに色気なんてみじんもない。

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