黙って俺に守られてろ～クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない～

「今週末、会員制のクラブで開かれるパーティーに、クスリの売人が来るという情報が入った」
「会員制のクラブですか……」
「前に捕まえた売人と同じような手口だ。うまくいけば、最近クラブで出回っている覚せい剤の黒幕を突き止められるかもしれない」

　部長の言葉を聞いて、それは気合を入れなければと背筋が伸びる。

「ちなみに今回はセレブ御用達のクラブだぞ。定期的に覚せい剤や合成麻薬を乱用するパーティーが開かれているらしい」
「いかにもいかがわしいわよね。あたしたち公務員が違法薬物の撲滅のために地道に働いてるっていうのに、セレブたちがクスリにおぼれて楽しんでるなんて、腹がたっちゃう！」

　東海林さんが太い腕を組みながら、ぷんぷんと怒る。

「モデルや芸能人が多く出入りするクラブらしいから、潜入捜査は今回も伊尾と佐原に頼む」

　部長はそう言って、伊尾さんに視線を向けた。