黙って俺に守られてろ～クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない～

「そうかな。卒業して数年で集まる同窓会なんて、昔を懐かしむっていうより、合コンみたいなもんじゃない？」

　藍川さんまで口をはさんでくる。
　その表情は完全におもしろがっていた。

「合コンなんかじゃ……」
「でも先週末、友達と楽しそうに同窓会に着ていく服を選んでたでしょ。男受けしそうなかわいいワンピース」

　藍川さんの言葉に、おどろきのあまり「ごふっ」と音をたててせき込んでしまった。

「ど、どうして……」
「たまたま見かけたんだよね」

　どうやら恵と買い物している様子を、藍川さんに目撃されていたらしい。

「見かけたなら、声をかけてくださいよ」
「女の子同士で盛り上がっていたから、邪魔しちゃ悪いと思って声をかけなかったんだよ。俺って優しいよね」

　涼しい顔で言う藍川さんを、私は頬を熱くしながら睨む。

「本当に優しい人は、そうやって人の行動を暴露したりしませんから！」