黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
「ごめんごめん」

 私の苦情に、藍川さんは肩を揺らしながら笑う。

 口では謝っているけれど、ちっとも悪いと思ってない。
 
 私がふてくされていると、藍川さんはこちらに意地悪な視線を向けた。

「で、同窓会用の服は買ったの?」
「……友達に無理やり買わされました」

 からかいをふくんだ質問に、私はしぶしぶ答える。

「かわいそうに。じゃあその服は無駄になっちゃうんだね」
「まぁ、捜査ですから仕方ないです」

 藍川さんとそんなやりとりをしていると、背後からわずかな殺気を感じた。

 慌てて振り返ると、ものすごく仏頂面をした伊尾さんが私を見下ろしていた。

「……ふーん。買ったのか。男受けしそうな服を」

 低い声で伊尾さんにつぶやかれ、私は頬をふくらませる。

「すみませんね。どうせ、色気のない私には女の子らしい服は似合わないって言いたいんですよね」
「そんなことは言ってない」
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