黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
 ぷるぷると震えて立ち尽くす私に、伊尾さんは「つけてやるから後ろを向け」と顎をしゃくった。

「はいっ」

 彼の言う通り、背を向ける。

「これは念のためだ。ネックレスの飾り部分にGPSが……」

 そう言いながら私の首にネックレスをつけようとした伊尾さんが、途中で「ぐっ」と息を飲んだ。

「伊尾さん?」

 ふりかえると、いつもは冷静な伊尾さんの顔がわずかに赤らんでいるように見えた。

 そして、みるみるうちにその表情がけわしくなる。

「なんなんだ、この服は」
「あ、これ背中が少し開いているデザインなんです。肌見せが流行ってるって友達に言われて」
「お前、無防備すぎるだろ」

 不機嫌なためいきとともに言われ、私は慌てて言い訳をする。

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