黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
「す、すみません。私の背中なんて、誰も見たくないですよね。友達にも似合わないからいやだって言ったんですけど、絶対これが男受けするんだって言い張って、聞いてくれなくて……」
「そうじゃなくて」

 早口で言う私の言葉をさえぎって、伊尾さんはもういちどため息をついた。

 そのまま黙り込んでしまった伊尾さんをおそるおそるうかがっていると、「まぁいい」と彼は自分を落ち着かせるようにつぶやく。

「お前、今日は絶対俺のそばを離れるなよ」

 そう言いながら、私にネックレスをつけてくれた。

  

 
 しばらくあたりをうかがっていたけれど、クスリの売人が現れる様子はなかった。

 パーティーもみんなお酒に酔い盛り上がってはいるけれど、違法な薬物を使用している気配はない。

 もしかしたら、今回の情報は間違っていたのかもしれない。

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