黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
てっきり取締官失格だと怒られるかと思ったのに、伊尾さんはなんでもないことのようにそう言った。
その表情は、優しかった。
「もしかして、伊尾さんにも怖いものがあるんですか?」
私の質問に、伊尾さんは小さく笑い答える。
「……あるよ」
そのまま黙り込み遠くを眺める彼の目は、美しい夜景ではなく、なにかちがうものを見ているようだった。
その横顔がどこか寂し気で、目が離せなくなる。
見ているだけで、胸を打つ鼓動が速くなる。
どうしよう。
やっぱり、伊尾さんが好きだ。
こうやってそばにいるだけで、好きで好きで、泣きたくなる。
私が感情の高ぶりをおさえるためにぐっと唇をかみしめていると、ビル風に体を押された。
突然の突風にバランスを崩し、体が勝手に前のめりになる。
すると、透明な柵の向こうに足もとに広がる夜景が見えて、血の気が引き体が震えた。
その表情は、優しかった。
「もしかして、伊尾さんにも怖いものがあるんですか?」
私の質問に、伊尾さんは小さく笑い答える。
「……あるよ」
そのまま黙り込み遠くを眺める彼の目は、美しい夜景ではなく、なにかちがうものを見ているようだった。
その横顔がどこか寂し気で、目が離せなくなる。
見ているだけで、胸を打つ鼓動が速くなる。
どうしよう。
やっぱり、伊尾さんが好きだ。
こうやってそばにいるだけで、好きで好きで、泣きたくなる。
私が感情の高ぶりをおさえるためにぐっと唇をかみしめていると、ビル風に体を押された。
突然の突風にバランスを崩し、体が勝手に前のめりになる。
すると、透明な柵の向こうに足もとに広がる夜景が見えて、血の気が引き体が震えた。