黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
 私がぎこちなく紹介すると、伊尾さんは整った顔に穏やかな笑みを浮かべた。

「そう、同級生なんだ。はじめまして、美緒の恋人の伊尾です」

 伊尾さんが、『美緒の恋人の伊尾です』って言った……!
 しかも私の腰を抱き寄せ、微笑みながら……っ!

 私は感極まって唇を噛む。

 嘘でもうれしい。
 今のセリフを一生忘れないように、耳に焼き付けておこう。

「伊尾さん、ですか。背が高くてかっこいいですね。もしかして、モデルさんだったりします?」

 呉林くんが伊尾さんを見ながらたずねてくる。

 だよね、だよね。
 伊尾さんは本当にかっこいいよね。
 
 呉林くんの言葉に、私は心の中で全力で同意する。

「まさか。普通の会社員ですよ」
「そうですか? でも、ずいぶん体を鍛えているように見えるし、普通、ではないでしょう?」

 呉林くんは観察するように伊尾さんをじっと見つめた。
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