黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
6 止められない気持ち

6 止められない気持ち




            

 翌週の月曜日、いつものように事務所に行く。

 そして週末のクラブの潜入捜査の失敗について話し合う。
 
 今回は空振りに終わったけれど、定期的にあのクラブでクスリの売買が行われていたのは間違いない。

「次は決して逃さないように、慎重に内偵捜査を進めるぞ」という部長の言葉に、私たちはうなずく。

「美緒ちゃん。今回の捜査は残念だったわね」

 捜査会議を終えた後、東海林さんが話しかけてきた。

「操作が無駄足になるなら同窓会の方に行っていればよかったって、後悔してるでしょ」
「まさか。同窓会なんかより、仕事のほうが重要なので」
 
 首を横に振った私を見て、東海林さんは顔をしかめる。

「二十六歳の乙女が、プライベートより仕事のほうが重要なんて、嘆かわしいわ!」

 太い腕を腰に当て、ぷりぷりと怒りながら私を睨む。

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