バーテンは甘すぎる


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『梨華ちゃん、おつかれ〜』


「店長、おつかれさまです」



忙しさのピークも過ぎ、夜が近づいてきた頃、イケオジ店長が休憩室から顔を出した。



『梨華ちゃんもう上がりだよね?これ、廃棄だから持って帰っちゃっていいよ』



「え、ありがとうございます」



ちょうど今日の晩ご飯に煮詰まっていたことを思い出して、ありがたく頂戴することにした。


店長は一人暮らしの私を気遣っていつも廃棄だと言って賞味期限が切れていない商品をわざわざ私に持たせてくれる優しい人だ。


『梨華ちゃんお弁当3つだよね、残念ながら生姜焼き弁当はないけど好きなの選んでね』



「いつもありがとうございます、助かってます」



勤務期間が長すぎたせいか私のお弁当の好みや食べる量までは把握しなくていいけど、いくつかのお弁当を持ってきて私に選ばせてくれる店長はやっぱり死ぬほど優しい。



『あ、梨華ちゃん、スイーツもあるよ』



「え、どれですか」







なんでもない話をしていると上がり時間が過ぎ、『梨華ちゃんもうこんな時間だよ、早く帰りな!女の子なんだから早く帰んなきゃ、気をつけるんだよ!』と店長は大袈裟に心配をしてくれた。


「おつかれさまです」


『おつかれさま!』


店長から頂戴したお弁当3つとスイーツ1つを袋に入れて家路に着いた。




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