ビビディ バビディ ブー! 幸せになーれ!〜この愛があなたに届きますように~
「今後の生活についてだが、俺は朝食は取らないから俺の分は必要ない。

出勤時間はまちまちだから俺のことは気にせずに、朋葉は今まで通り自分の時間で生活してくくれ。

あぁ、夕飯も必要ない。
会食が多いし、帰宅も遅い。
外で済ませるから気にしないでくれ。

休みは…。

予定が合えば一緒に出掛けてくれ。

たまには仲のいい新婚アピールも必要だろう」

式場から自宅に向かう車中で淡々と話す迫田さんの話を前を走る車のテールランプをぼんやり眺めなから聞いていたのはつい数分前のことだ。

新郎だったさっきまでの彼からの態度の豹変ぶりに、驚き押し黙ったまま彼の話を聞いていた。

マンションで出迎えたコンシェルジュの前では、また結婚式の時のように私に甘く微笑みかけ、体を密着させて腰を抱き寄せ私に向ける熱い眼差しにドキドキ心臓が騒がしかったのに…。

新居に足を踏み入れた途端、私の上がりきっていた体温は急速に冷えたのだ。

本当に疲れた…。


「ふぅ。
体温の上がり下がりもだけど…ほんと、迫田さんは心臓によくない。

早く馴れなくっちゃ。

迫田さんの二面性に馴れないと私…」


それ以上のことは考えるべきじゃないと、自動的に考えることをシャットダウンした私は、そのまま目を閉じ眠りに落ちた。
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