冷酷御曹司と仮初の花嫁
私は麗奈さんに挨拶をしてから、控室に戻ると、既に帰り支度を終わらせた碧くんが椅子に座り、疲れた表情を見せていた。クールなイメージの碧くんもさすがに、仕事の時の表情を崩してしまう。
「お疲れ様です」
「お疲れ様です。着替えるの早いね。少し待たせるけどいい?」
仕事が終わり、着替えを済ませて控室に戻ってくると、既に帰り支度を終わらせた碧くんが私を待っていた。車で送ってくれるからだろう。私より後に戻ってきたのに、既に着替えも終わっていた。私より数分先に、店から出ただけなのに、もう着替えも終わっていた。
「男だし、パッと脱いで着ればいいだけだから。時間は気にしないでいいから」
「うん」
私が控室の奥にある更衣室に入って着替えを始めると、碧くんの声が聞こえてきた。
「陽菜さん。俺、大学の研究室にいるけど、教授から就職先を紹介されたけどどう思う?」
「どう思うって……。大学に残って研究員になるのかと思っていた」
大学での研究に没頭したいから、バイト代のいいこの店で働いていると言っていたのに、就職となるとまた違った生活になると思う。
「大学の研究室でもいいけど、俺の性格からして、大学の提携の研究所で働かないかってことなんだ。今までの研究も生かすことも出来るし、悪い話じゃない。それに将来も見通せるし。でも、就職するならカフェのバイトは続けられない」
「お疲れ様です」
「お疲れ様です。着替えるの早いね。少し待たせるけどいい?」
仕事が終わり、着替えを済ませて控室に戻ってくると、既に帰り支度を終わらせた碧くんが私を待っていた。車で送ってくれるからだろう。私より後に戻ってきたのに、既に着替えも終わっていた。私より数分先に、店から出ただけなのに、もう着替えも終わっていた。
「男だし、パッと脱いで着ればいいだけだから。時間は気にしないでいいから」
「うん」
私が控室の奥にある更衣室に入って着替えを始めると、碧くんの声が聞こえてきた。
「陽菜さん。俺、大学の研究室にいるけど、教授から就職先を紹介されたけどどう思う?」
「どう思うって……。大学に残って研究員になるのかと思っていた」
大学での研究に没頭したいから、バイト代のいいこの店で働いていると言っていたのに、就職となるとまた違った生活になると思う。
「大学の研究室でもいいけど、俺の性格からして、大学の提携の研究所で働かないかってことなんだ。今までの研究も生かすことも出来るし、悪い話じゃない。それに将来も見通せるし。でも、就職するならカフェのバイトは続けられない」