1線超えたお兄ちゃんとの恋物語

帰ったらある女の人が玄関の前にいた。

その人は奏くんの元カノ。

私の一番会いたくない人。


「何でいるの?」


「奏汰とヨリ戻したくて。」


「無理。今は(らん)よりも大事な人ができたから。」


その女の人の名前は藤井(ふじい) 蘭。


「でも私は諦めないからね?」


「好き勝手してれば。」


と言ったように蘭さんは奏くんに腕をからめさせる。

それを奏くんはほどかない。

私は見るのが辛くなって家の中に入った。

入ってすぐ自分の部屋に入って泣いた。


「ふぅっ……うっ、ぐすっ……」


こんな悲しいのはきっと……

ううん。

きっとじゃない。
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