1線超えたお兄ちゃんとの恋物語
2章
「凛~、柚くんのこと好きなんでしょ。」
「……うん。」
「応援するね!」
と私は笑顔でガッツポーズをした。
「あ~可愛い。」
「誰が?」
「もう~この無自覚め。」
と凛は言って私の頭をなでる。
そのとき先生が走って私の名前を呼んだ。
「如月、すぐ帰る準備しろ。」
「どうしてですか?」
「兄が病院に運ばれた。」
奏くん!
えっ!?奏くんに何があったの!?
「はい、今すぐ準備します。」
私はタクシーで病院に向かっている間も落ち着きがなかった。
理由は上から電気が落ちてきたらしい。
「如月 奏汰は何号室ですか?」
受付の人に聞く。
「206号室です。」
「あ、ありがとうございます。」
ペコッ、とお辞儀して206号室に向かう。
206……206……
あった!
ドキドキしながら扉を開ける。
───と誰もいない!?
もしかして……死……