1線超えたお兄ちゃんとの恋物語

〈side 凛〉

「どこ行く?」


と柚太くんが聞いてくる。


「う~ん、決まってない。」


「じゃあ適当に歩くか。」


何があるかな?

輪投げ、金魚すくい、リンゴ飴、スーパーボールすくい、射的、……



射的で可愛い景品があった。


「柚太くん、射的やりたい。」


「いいよ。」


狙いを定めて……

撃つ!

が、上手く狙えず外れた。


「お嬢ちゃん、惜しい。もうちょい左だったね。」


と屋台のおじちゃんが私に言う。

射的は私に向いてないものだと分かり柚太くんを違う屋台へと誘う。


「柚太くん、違うとこ行こ。」


「ごめんね、凛ちゃん。俺も射的やる。」


と柚太くんは言って銃を構える。

そして私が狙っていたものを見事に落とした。


「はい、凛ちゃん。これあげる。」


「え、あっありがとう……」


言うなら今だ!


「あのさ、私、柚太くんのこと好きみたいなんだよね……。あっ!返事は文化祭の時でいいからっ。じゃあ、またね!」


と言って走って帰った。

言っちゃったよ……

どうしよう────
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