1線超えたお兄ちゃんとの恋物語
とうとう文化祭が始まった。
事前に奏くんと柚くんを誘っといたから大丈夫。
でも私と凛には仕事があるから半分くらいは店にいる。
だから先に回っていていいよって言っといた。
意外とこの学校も有名なので蘭さんも来るかもしれない。
警戒しとかないと。
「いらっしゃいませ~。」
そう言う。
そしたら男子の団体と女子の団体がそれぞれ2グループずつ店の中に入って来た。
忙しくなるぞ。
私は料理が下手なので注文を聞く係になった。
「ご注文はどうされますか?」
「カフェラテ2つ、パンケーキ1つ、ショートケーキ3つで。」
「かしこまりました。」
「あっ、後1つ。」
「はい?」
「君が欲しい、かな。」
と言って男の人は私の腕をつかんだ。
「ちょっ……やめてくださいっ。」
「何?俺、客だよね?客にそんな態度とっていいの?」
こっ、怖い。
「そっちこそ失礼じゃないですか?」
と声が聞こえた。
……蓮だ。
蓮がそう言ってくれたおかげで男の人は手を離した。
「行こ、咲良。」
「うん。」
と2人で図書館に行った。